堂本光一くんも、本当にいい顔してたしね。

確かにあの頃、売れっ子の2人はめちゃくちゃ忙しかったわ。それに堤幸彦監督の独特の世界観の中での撮影はハードで、疲れきっていてね。『~ブンブブーン』でも「あんまり食べてなかった」と話していたけど、りえちゃんは元々すっごく細かったけど日に日に痩せ細っていって、同じように剛くんもみるみる体重が落ちていってたのよね。

 というのも、一ちゃんの謎解きセリフが何ページにも渡るぐらい膨大で、剛くんは寝る間を惜しんで長ゼリフと格闘していたのよ。常に台本を手にしていた記憶があるわ。

 剛くん本人もよく「ただセリフを覚えるだけじゃダメなんだよ。視聴者の方たちはもちろん、犯人が何の目的で、どんな殺害方法で犯行を行ったのか、分かりやすく解説していかなくちゃいけないから、僕自分が謎解きの全てを理解してないとセリフが言えないし伝わらないと思うんだ」と言って、真剣に向き合っていたの。

 だから当時の剛くんはいつも「追い詰められた感」が漂っていて、見るたびに"もみあげ"を触っていたの。一ちゃんといえば"もみあげ"だものね。こちらも日毎、長くとんがっていって、しまいにはもみあげを触りながらクルクル回し始めて。右手に台本を持っている時は左手でもみあげをクルクル、左手に台本を持っている時は右手でもみあげクルクルして……の繰り返し。

でもほとんど無意識だったみたいで「俺そんなにクルクルしてた? 何かもみあげを触ってると安心すると言うか。自然と引っ張っちゃってるのかもな。すぐにもみあげが伸びちゃうのはこれが原因かぁ」なんて言ってたっけ。

 KinKi KidsとしてまだCDデビューはしていなかったけど、バラエティー等のレギュラー番組を何本か抱えながらのハードスケジュールの中、難しい説明セリフを短時間で覚えなければいけないし、そのプレッシャーからか食欲もなくなって、ベルトをしても制服のズボンはユルユルになっていってね。心配しながらもアツたちは隣りでロケ弁をパクパク食べちゃって、今更だけどごめんなさいの気持ちでいっぱいよ。

 もみあげを心の拠り所にしながら、長回しの堤監督のムチャぶりにも全て応え、完璧な"一ちゃん"を作り上げた剛くん。当時の映像を見ても「1ミリも覚えていない」と言って2人とも苦笑いしてたけど、ロケ地も毎回すんごく遠かったのよね。

 長野県にある黒姫山への日帰り強行軍ロケなんて当たり前。あっちこっちの山だ海だ湖だとロケして回って、役者さんやスタッフさんだけじゃなく着いていく取材班もヘロヘロよ。

 ある時、ラベンダー畑に向かったら、何と肝心のラベンダーが咲いてないなんて事もあったわ。プロデューサーたちが慌てて相談しはじめて「時間がないからCGで処理するしかない」との結論に落ち着いたんだけど。常に何かしらのハプニングに見舞われてたわ。

山奥での撮影だとトイレもなかなかないから、女優さんたちは水分を控えて……まだあの頃は"熱中症"なんてあまり言われない時代だったから。長時間、水分も取らずに撮影したんだからホント体力勝負で、苦労が耐えなかったと思うわ。

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 過酷な撮影も辛うじて乗り越えられるくらい、あの頃はみんな若かった。ボロボロだったと思うけどね。『~ブンブブーン』でりえちゃんが明かしていたように、精神的にもそう。剛くんの一部過激ファンが、りえちゃんを攻撃していてね。まだ若かったからりえちゃんも心が折れる時があったみたいなの。

 りえちゃんは天才子役から女優になった若手演技派で、どちらかと言うと憑依型の女優さんだったような気がするんだけど、あの頃、りえちゃんと剛くんが交際しているんじゃないかという噂が出回ったじゃない? そりゃあ朝から晩までずっと一緒で、過酷な撮影を共に乗りきっていったんだから、連帯感が生まれるってもんだし、逆に連帯感が生まれない方がヘンじゃない? だからそうなってもおかしくないわけだけど、でも実際には、りえちゃんは“美雪として”“一ちゃんに”恋をしていたんじゃないかしら……とアツは思っていたの。

 難解な長ゼリフに剛くんは苦しんでいたけど、りえちゃんだって一ちゃんの長ゼリフは全部、覚えなくちゃいけないのよ。途中で相槌をうったりするから。長回しで撮るから、もしも一ちゃんの長ゼリフの合間の相槌を間違ったりすると、また撮り直しになっちゃうもの。共演者の人たちもセリフは全部、覚えなくちゃならなくて、その緊張感たるやハンパなかったの。「あ~、みんなギリギリの精神状態で撮影してるんだな」と感じていたある日のことを、アツは今でも思い出すんだけど……もう20年も前のことだから言ってもいいかな?

そのとき、アツは取材で剛くんとりえちゃん、そしてアイドル・速水玲香を演じる共演者の中山エミリちゃんをそれぞれインタビューして、3人の集合写真を撮る予定だったの。どんなに疲れていても、インタビューにはいつもきっちり答えてくれる剛くんに感謝しながら、りえちゃんのインタビューへ。そしてエミリちゃんの取材も終え、さて3人での写真撮影をと思った矢先……りえちゃんの事務所のスタッフさんから、「スリーショットの撮影は今回、ナシにしてもらいたい」と申し訳なさそう~に言われてね。

 一体どうして? と思うじゃない。するとどうやらその当時“美雪ちゃん”として日々、過ごしているりえちゃんが、“一ちゃん”にちょっかいをかける“速水玲香”の存在に気を揉んで、ちょっとナーバスになっちゃったという話だったの。何だろ、この可愛いジェラシーは! そんな話を聞いてからりえちゃんの顔を見ると涙目になっちゃってたし、エミリちゃんも事情を察してスっと身を引いてくださって、若いのに気遣い上手だなあと思ったわ。りえちゃんの場合は、撮影期間だけヒョイっと美雪が憑依して、撮影中だけの"かりそめの恋"というか、そんな感じだったんだろうなぁって思うのだけど、若い彼らのことが羨ましくなっちゃったわ。

 あの当時、キリキリしちゃったファンの皆さん、やっぱり全部「ドラマの中のこと」なので、どうか分かってあげてくださいね。今やりえちゃんは思春期男子のママで、女優としても相変わらず活躍しているし、40歳になってますます美しくなっちゃって、魅力倍増。『~ブンブブーン』で金田一コンビが素敵な再会を出来てホントよかったわ。剛くんとりえちゃんの金田一話をニコニコしながら聞いていた堂本光一くんも、本当にいい顔してたしね。

光一くんも当時は同じように主演ドラマを抱えていて、あのハードスケジュールは体験済みだから、誰より気持ちが分かったんじゃないかしらね。土曜のお昼にほっこりしちゃったわ。


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