“おしい男”風間俊介

ジャニーズ事務所に所属しながらCDデビューはせず、俳優業を中心に活躍している風間俊介(36才)。ここ数年、バラエティ番組で見せるディズニーマニアなどの意外なキャラが注目されてきたが、この秋、プライムタイムで初のMC番組が始まった。今なぜ風間俊介なのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。


 10月30日、風間俊介さんがプライムタイムで初のMCを務める『BACK TO SCHOOL』(フジテレビ系)がスタート。落ち着いた進行を見せたほか、学生時代のエピソードを披露するなど、ネット上の評判も上々でした。

 風間さんと言えば、俳優を主戦場にするなど、ジャニーズ事務所では異色の存在。ただ、連ドラでは13年前に深夜ドラマ『アキハバラ@DEEP』(TBS系)で主演を務めた以外は、助演かゲスト出演ばかりで、現在も昼ドラ『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)ではベテラン俳優たちを、深夜ドラマ『チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~』(読売テレビ、日本テレビ系)では本田翼さんを支えるバイプレーヤーとしての役割をまっとうしています。

 さらに今年5月には、そのキャラクターを生かす形で『おしい刑事』(NHK BSプレミアム)という主演作が放送されました。風間さんが演じたのは主人公であるにも関わらず、「常に犯人を追い詰めるが、けっきょく同僚に手柄を取られてしまう」という本人同様に“おしい”キャラクターだったのです。

 バラエティに目を向けても風間さんは、『林修のニッポンドリル』(フジテレビ系)でMCではなく、「学級委員」という“おしい”ポジション。また、『マツコの知らない世界』(TBS系)でディズニーマニア、『沸騰ワード10』(日本テレビ系)でステイタスのマニアとしてゲスト出演していました。

 情報番組でもジャニーズ事務所のメンバーたちがMCを務める中、風間さんは『ZIP!』(日本テレビ系)の「月曜メインパーソナリティー」という“おしい”ポジション。就任が発表されたときファンの間では、喜びの声があがった一方で、「やはり花形であるアイドルグループの一員でなければMCは務められないのか」という声もありました。

 その他でも、King & PrinceやSnow Manら後輩グループのドキュメンタリー番組『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)のナレーションを務めていることも含め、常にメインをサポートする側の“おしい”ポジションとして活動し続けているのです。

 では、なぜここに来てMCに抜てきされたのでしょうか?

◆「アンチのいないジャニーズ」の強み

 風間さんは10代からジャニーズJr.として活動し、順調なステップを踏んでいたにも関わらずグループデビューできず、20代に入ると歌と踊りから遠ざかっていきました。しかし、俳優としての仕事に打ち込み、助演経験を重ねることで、ジワジワと世間の認知度がアップ。さらにバラエティでは、「ジャニーズなのに大みそかのカウントダウンコンサートに呼ばれない」などと“おしいジャニーズ”としての自虐トークで笑いを取りながら、親近感を抱かせる存在となっていきました。

 主演作やMC出演を重ねる先輩のSMAPや同年代の嵐と比べると、その芸能活動は地味ではあるものの、“おしい”ポジションをしっかり務めてきたことを日本中の人々が知っているため、アンチが少ないのです。もともとジャニーズ事務所のタレントは熱狂的なファンと強烈なアンチが二分されやすく、とりわけ男性視聴者にも嫌われがちなのですが、風間さんは例外。「視聴者層を限定しない」という強みがあり、プライムタイムのMCに求められる人物像そのものです。

 テレビ業界の人々も、そんな風間さんの穏やかなイメージとトーク力を買っているのですが、なかでも評価されているのは、自分の言葉で話そうとする姿勢。

 たとえば、『BACK TO SCHOOL』の見どころを聞かれたとき、「とにかく、“エモい”です。エモいという言葉をあまり使ったことがありませんが、この番組を見た感覚が“エモい”じゃなければ、もう二度と“エモい”とは言いません。それくらい、心が動くエモーショナルな番組です。心が動き、あの頃を思い出すけど、いまの自分を、明日をしっかりと生きようと思える番組です」とコメントしました。知的に見えるフレーズを探すのではなく、「どんな言葉を使えばわかりやすくて、インパクトもあるのか」を考え、ひとひねり入れたコメントをしたのです。

 さらに風間さんは初MCへの意気込みについて、「この番組は、実際に学校に転校する人が主役です。僕はスタジオでテレビの前の皆さんと同じく、笑い、感動しているだけなので、緊張みたいなものはないです。今から、皆さんと一緒に『BACK TO SCHOOL!』を見る日が楽しみです」とコメント。まるで、「MCになっても“おしい”というイメージの僕自身は変わりません」と言っているようであり、この謙虚さが変わらない限り、新たなMCとして受け入れられていくのではないでしょうか。

◆いずれはジャニーズ事務所の象徴に

風間さんは来年の大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK)で、大役の徳川家康を演じることが決定。立場上は助演ですが、「新たな家康像を見せて主演級の存在感を放つのではないか」と期待されています。

 また、あまり知られていませんが、風間さんはこれまで『リオデジャネイロパラリンピック』『平昌パラリンピック』のNHKキャスターを務めてきました。現在も『ハートネットTV「パラマニア」』(NHK Eテレ)に出演するなど「最もパラスポーツに詳しい芸能人」であるため、地元開催となる『東京パラリンピック』での活躍が期待されているのです。

 これまで風間さんは派手な芸能活動こそなかったものの、ジャニーズの誰よりも多種多様な現場に対応し続けることで、その人間性とスキルを培ってきました。だからこそ今後は、“おしいジャニーズ”としての親近感を残しながら、主役やMCを務めるような活躍を増やしていくのでしょう。

 来年、ついに「風間俊介がくる」。さらに、ゆくゆくはジャニーズ事務所を象徴する存在へ。今秋のMC起用は、そのスタート地点なのかもしれません。

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