高齢ひとり暮らしの88才・八千草薫 「隣人介護」を選択

都内の閑静な高級住宅街にある一戸建て。100坪ほどの庭に欅などの草木が生い茂り、小さな池には、メダカやオタマジャクシなど多様な生物が棲息する。

 ここは女優・八千草薫(88才)の自宅だ。彼女はひとり暮らし。周辺地域がひっそりと静まりかえるなか、この一角だけは人の出入りの多さが際立っていた。

 8月下旬、この家から出てきた高齢の女性・Aさんに声をかけると、こう答えた。

「今、八千草さんは入院されているんです…」

 昭和の名女優に何が起こったのか──。

 誰からも愛される「かわいい人」である八千草は、大阪府出身。宝塚歌劇団を経て映画デビューし、テレビドラマ『岸辺のアルバム』(1977年・TBS系)などで人気を博した。私生活では1957年に19才年上の映画監督・谷口千吉氏(享年95)と結婚したが、子宝には恵まれなかった。

「50年連れ添った谷口さんが2007年に肺炎で他界した際、八千草さんはかなり落ち込んでいました。それでもなんとか吹っ切ったかのように見えました。その後はご主人と暮らした自宅の庭を愛でながら、愛犬と暮らしていました」(テレビ局関係者)

 膵臓がんと診断されたのは昨年のこと。6時間を超える大手術を受けた。その後、肝臓への転移がわかり、今年2月にはヒロイン役を務める予定だったドラマ『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)を降板。病気を理由にした降板は、72年間の女優人生で初めてのことだった。

「その後は自宅で静養を続けていました。6月には脚本家の倉本聰さん(84才)の案内で北海道富良野を訪れるほど回復していました。それが突然体調を崩されたようで…」(八千草の知人)

 そんな八千草の世話をしている1人が冒頭のAさんだ。

「Aさんは、亡くなったご主人の晩年の介護を担当していたヘルパーさんです。昨年のがん手術後、人の手を借りなければ歩けなくなっていた時期に身の回りのお世話を頼んだようです。高齢でひとり暮らしを続けるのは難しく、施設に入る選択肢も考えたそうですが、八千草さんはかなりの人見知り。ご主人と過ごした自宅や愛犬と離れることもできなかった。

 そこで旧知のAさんに頼んだ。ただ、Aさんもかなりの高齢。それで隣人介護の選択をしたそうです」(前出・知人)

現在近所に住むある夫婦も八千草のサポートをしているという。

「もともと八千草さんの愛犬仲間のご夫婦、Bさんですよね。八千草さんとBさんの奥さんが一緒にワンちゃんの散歩をしているのを以前よく見かけました。その縁で、体調を崩した八千草さんの身の回りの世話をBさん夫婦も見るようになったとか」(近隣の住民)

 近所に住むBさん夫婦に話を聞くと言葉少なにこう話した。

「ぼくらはただご近所という縁があっただけで…。知り合いの1人として、八千草さんの回復を心から祈るばかりです」

 八千草は『文藝春秋』(2019年8月号)にこう手記を寄せている。

《でもね、最近になって改めて決心して、遺言状をちゃんと作成しました。独り身なので、身支度を整えておかないと周りの人に迷惑をかけることになってしまうでしょう。それだけは絶対に避けたかったのです》

 信頼できる隣人に世話を委ねつつ、万全の準備を整える。八千草の晩年の過ごし方は、おひとりさま女性にとってのよきモデルになりそうだ。

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