5人のうち辞めたいやつが3人いるようなグループ

1999年9月15日、ハワイ・ホノルル。大野智(38才・当時18才)、櫻井(当時17才)、相葉雅紀(36才・当時16才)、二宮和也(35才・当時16才)、松本潤(35才・当時16才)の5人は、クルーザーに乗り込み、豪華なデビュー会見を行う。平均年齢16.6才という若さだった。

 アイドルグループで類を見ない漢字一文字という珍しいグループ名の由来について、相葉はこの場でこう語っている。

「『嵐』の頭文字は、あいうえお順でも『あ』、ABC順でも『A』で、いちばん先頭になります。ぼくらも同じように、頂上に立つことを目指したいです」

 嵐がデビューした当時はジャニーズJr.の黄金期で、『8時だJ』(テレビ朝日系、1998年)をはじめとするJr.の冠番組が溢れていた。その黄金世代から初のデビューを果たした彼らだが、初々しいその顔ぶれを見た時、報道陣やファンはもちろん、お茶の間の視聴者も騒然とした。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが振り返る。

「“あれ、タッキーは?”と、日本中が驚きました。同じジャニーズJr.のなかでも、滝沢秀明さん(36才)は別格の存在感で、Jr.からグループデビューするには滝沢さんありきだという雰囲気があったんです。今からすれば笑い話ですが、初めて嵐のメンバーを見た時、『本当にタッキーがいなくてやっていけるのかな?』と不安を感じたことを覚えていますよ」

当のメンバーたちも、戸惑いながら会見に臨んでいたという。

「もともとメンバーとして決まっていたのは松潤、ニノ、櫻井くんの3人。大野くんは『ちょっと手伝ってほしい』と頼まれて、訳もわからぬままレコーディングに参加し、相葉くんはデビュー会見3日前に事務所社長からパスポートを持っているかと聞かれ、ドタバタでハワイに向かったそうです」(芸能関係者)

 大野はデビューのレコーディング時、櫻井と同様のラップパートの歌唱もしている。もしかしたら、そのまま大野がラップ担当となる可能性もあったと、後に櫻井が明かしている。

 メンバーも担当パートも“急ごしらえ”な、まさに「嵐」のようなデビューだった。

「相葉くんは突然の展開にオロオロし、絵の道を志していた大野くんはあまりデビューに興味がなさそうにも見えました。櫻井くんは、アイドル活動は大学入学までと言っていた時期もありましたし…。舞台の演出家になりたかったニノはデビュー前の1999年1月に“今年いっぱいで辞めます”と事務所に伝えたこともあったとか。松潤は前向きでしたが、5人結束してのスタートという感じではありませんでした」(前出・芸能関係者)

 実際、二宮は本誌女性セブン(2014年5月22日号)のインタビューで結成時の心境をこう明かしている。

《嵐も期間限定のグループだと思ってたから、9月に結成してもワールドカップバレーボールが終わる頃には辞めようと思ってたの》

 5人で出演した番組(2009年1月NHK『ザ少年倶楽部 プレミアム』)でも二宮は、「(5人のうち)辞めたいやつが3人もいるなかで、応援する人いるのかな?」とかつてを振り返った。

 V6から引き継ぎイメージキャラクターに就任したワールドカップバレーのテーマ曲であり、1999年11月に発売されたデビュー曲『A・RA・SHI』は96万枚を超える大ヒットでオリコンチャート初登場1位を記録。シングル発売直前に出演した『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)での「スケスケ衣装」は今も語り草だ。

グループ初の単独コンサートは2000年4月。大阪城ホールと横浜アリーナ(神奈川)にて3日間6公演で計9万人を動員した。当時10才で、母親と一緒にコンサートへ行った櫻井ファンのA子さんが振り返る。

「コンサートは昼夜2部制で、申し込んだチケットはすべて当選。この時は私たちのように、全公演に繰り返し足を運んだファンがほとんど。女子ばかりのなかに男子の集団がいて、“あ、メンバーの同級生たちだ”って話題になりました(笑い)。プラチナチケット化した最近のコンサートからは考えられない、恵まれた時代でした」

 熱心なファンたちが見守る横浜アリーナの最終公演で、ハプニングが起きた。ステージ上でメンバー全員で手を組んだ際、突然、櫻井が号泣したのだ。

「自分が選んだ道が正しかったのかよくわかりませんでしたけど、今は嵐でよかったと思います」

 そう言葉を絞り出す櫻井の肩をメンバーがそっと叩く。櫻井の男泣きにより、まだひとつになり切れていなかった5人の心が重なった瞬間だった。

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